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2009年2月22日 更新
小品展[2004年〜2008年] あとさき
iTohenは壁一面が美術関係の書棚、その奥に小さいスペースながらギャラリーもあっ
て、コーヒーも飲めるくつろげるお店である。その後の小部屋はグラフィックデザイ
ンSKKYの仕事場になっている。
場所はごくありふれた大阪の下町、北区本庄西二丁目にあるのだが、ここから東へ五、
六分も行くと天神橋筋商店街、それも天六交差点に出る。私はこの商店街の五丁目に
洋服小売商の長男に生まれ、近隣の小学校、いや国民学校を卒業し、戦争が激しくなっ
た奈良中学の時代を除いて、戦後もこの商店街の六丁目に戻って住んだ忘れられない
街である。
三十九才の時に、地下鉄御堂筋線の中津駅に近い豊崎三丁目に越したのだが、その地
もiTohenから西へ五、六分、東へ向くか、西へ歩くか、豊中市へ移る五十五才迄住ん
だ大阪市は、この近隣でうろうろしていたことになる。
こうした地理的な縁以上に、このiTohenとSKKYを運営しておられる鯵坂兼充さんは、
私のパソコンの先生である。以前からパソコンの領域、機能だけでも知っておきたい
思いにかられていたのだが、2003年であったか、あらためて紹介されたのが鯵坂さん
であった。
あらためてと云うのは、前々から私の制作に係っていてくれていたのだが、彼は親切
にも梅田のヨドバシカメラまで私を連れて行き、パソコンやプリンターの購入、アト
リエへの設置迄してくれた。
習い始めて一年もした頃か--東京の渡辺豊重さん、江口週さん、眞板雅文さん、関西
の栄利秋さん、井田彪さんらから“彫刻家の平面”と、制作を楽しめる小品でのグルー
プ・ショーはどうかと誘われた。これを機会に、デジタルがつくり出す空間と、質量
を伴う目の前の事物を並置させてはと、そんな発想が制作をうながし、毎回数点の作
品を出品しているうちに連作となっていった。このグループ展は、2004年から東京、
京都、奈良、京都、東京、京都と、たまに会って飲むのも楽しみの一つにしながら昨
年迄続いた。私の作品は、デジタルカメラで撮りプリントされた画像と、パソコンで
処理された画像、手作業による絵画的な、時には物そのものを並置させて一枚の額に
収める展開である。
今あらためて見直すと当初の作品は、この意図に真っ正面向いた意気込み、気負いが
感じられるが、2006・7年頃からの作品にちょっとしたウィット、小品の楽しさを観
てもらえれば幸いである。
今回の個展は、この5年間の連作から選んで未発表の作品もあるが、大阪や京都で
の出品もあるので既に観て頂いた作品も混じるかもしれないが、一連の流れとしてあ
らためて見詰め直す機会にしたい。
ところで、この一連の作品の制作は、写真の藤本直也さん、写真のデジタル処理をし
て頂いたSKKYの鯵坂さん、変型の額装を心よく引き受けて頂いた、私の関西大学時代
からの友人である(株)カナタの金田明治さん等の協力があってのことである。
あらためて、御礼を申し上げます。本の出版には“あとがき”があるが、個展に“あ
とがき”と云うのも変なもので、“あとさき”としたが、この発表が出来たことへの
御礼を書きたかったことも、この小文を書いた理由である。
2009年2月 森口 宏一
iTohenにて第140回目となる今展では、関西を拠点に1950年代から精力的に今もなお、活動を続けている森口宏一(もりぐちひろかず)氏ををご紹介致します。
皆様、是非ともご高覧下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
>>画像をクリックして頂くと作品を御覧頂けます。
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